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形の変容
彫刻が空間におかれることで、その形態や意味は新たな次示を得る。彫刻そのものは物質的な存在として具体的な形を持ち、単独で見れば純粋なフォルムや物質の表現に留まる。
しかし、それが空間に配置されると、周囲の環境、光、影、人との位置関係が作品と対話し始め、彫刻の持つ意味が変容する。空間が彫刻に与える影響は物理的なものだけでなく、観る者の心理や感覚をも揺さぶる。
たとえば、彫刻が広々とした空間に配置されるとき、孤立した存在感や時間の止まったような静寂を強調する場合がある。一方、狭い空間や他のオブジェクトとの調和の中で置かれる場合、彫刻は新たな意味を持ち、周囲との相互作用によって作品自体が物語や象徴を内包することがある。
また、視覚的な観点だけでなく、空間内の動きや音なども彫刻の意味を多層的に変容させ、動的な作品として観察されることもある。
こうして、彫刻は空間との関係性において固定的な意味から解放され、場所や時間、観る者によって絶えずその意味が変わる「生きた存在」となる。
形の変容とは、物理的な変化のみならず、状況や文脈に応じて意味が再解釈されることであり、彫刻はその最たる例といえる。
学歴
2003-2004
2008
ハノーバ専科大学留学
広島市立大学芸術学研究科博士後期課程 満期退学
個展・グループ展
2003
Tomoka Ishikawa 個展(Hanover/Germany)
2005
「Khora」Art project (Hiroshima/Japan)
2006
「Khora」Art project (Nuremberg/Germany)
2008
Tomoka Ishikawa 個展(GalleryG)
2009
Asylie グループ展 (Bonn/Germany)
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